おろすときにアルミホイルを巻く
最近、、、というか前々から気になっていたことですが、
おろし金にアルミホイルを巻いて、生姜などをすりおろすと
- 掃除がしやすい
- おろしたものが取り出しやすい。
- おろしたあとに、アルミホイルをはがすと、おろし金には汁が残り使い分けできる。
このような理由からよく裏技的な感じで使われていますが、、、
あまり細かく書くことでもないかもしれないですし、賛否両論もあると思いますが、ネットを見る限りあまりにも情報が少なすぎるのと、よくわかっていない人が多いように見られたので、プロの視点から説明しようと思います。
ちなみに、私はアルミを巻いて食材をおろすおことはしません。
老舗懐石料亭で働いていた時、なにか食材をおろすとき、誰もアルミを巻いていませんでした。
なぜならその必要性がないからです。理由はこれから書きますが、これは裏ワザでもなんでもありません。簡単なことです。
まずは、アルミをする危険性について話します。
危険性について話すと、どんなものでも「これは危ないあれは危ないっ!」って”いたちごっこ”になりそうなので簡単に説明します。
実際のところ、アルミニウムは、水道水にも硬水を軟水にするための処理剤として含まれています。アルミ鍋、アルミ箔などアルミを使った調理器具で果物などの酸性の食品を扱うとアルミが溶けだしますし、お茶の葉、濃縮還元オレンジジュース系、大豆から作った乳児用調合乳などにもアルミが含まれています。
アルミを摂取しすぎる危険性
- “アルツハイマー病”になりやすいらしい
- 透析脳症に合併する
- ビタミンD抵抗性骨軟化症や貧血の原因になる。
- 腎障害があると、アルミニウムが体内に蓄積し、中毒を起こす。
- 早産児に標準的輸液をすると輸液中のアルミニウムにより精神発達障害を起こす恐れがある。
- アルミニュームは、骨芽細胞の機能や、石灰化を抑制し、骨折や、骨の変形をもたらす。(痛みは腰部、足関節、膝関節などから始まる事が多い)
- 小球性貧血を起こす。
このような怖いことばかり書いたら、アルミホイルを使いたくなくなると思いますが、そんなん言ったら、アルミ以外の他の成分も調べたらネガティブなことはいくらでも出てくるので、簡単に頭の中に入れておいてください。
それに私はその危険性が原因でアルミホイルを巻いていないのではありません。実際に料理でアルミホイルを使って、アルミ成分が溶け出す可能性はほんの少しです。
おろす時に、アルミホイルをしない理由
食材にアルミの金属製が多少でも残るのを嫌うためと、異物混入の事故を避けるためです。アルミホイルをそのままかじってもらえばわかりますが(とくに銀歯がある人は)、めちゃくちゃ嫌な感触しますよね。
おろしている最中に少しでもアルミの成分や、万が一アルミが破れておろしたものの中に紛れてしまって、お客さんの口に入るようなことがあれば、その料理は台無しです。
私の場合、おろし金を使う用途が家庭ではなく、料理屋で、お客さん相手なので、異物混入の恐れを気にしています。
「アルミホイルなんて混じったことないよ!」っていう料理人さんもいるでしょうが、私は心配なだけですので人それぞれということで、使う人を否定しているわけではありませんのであしからず。
アルミホイルを巻いたときに気を付けること
対処法ですが、アルミを巻いておろしたあと、ゆっくりキレイにはがしたら平らな所において、金属系のスプーンではなくプラスチックや木製のスプーンで取り除く方が摩擦などでアルミの混流を防げます。または指で取る方が無難かもしれません。
ちなみに生姜の場合、料理屋では生姜汁用だけのために粗い目のおろし金でおろす。生姜おろしなら細かい目でおろす。
このように使い分けます。
大根なども料理によっておろす粗さを変えるのですが、これについて説明すると膨大な量の文章になってしまうのでまた次回の説明にします。
食材をおろす時のポイント
さて、もうひとつのポイントは、特に生姜に当てはまりますが、あなたは繊維を見ておろしていますか?
これが重要です。繊維は必ずどちらか一直線に走っています。
それを繊維を崩すようにおろし金に垂直に当て、おろすと、小さい木の根っこみたいな繊維は紛れることはありません。
沢山おろしていくと、持っている生姜の方には繊維が見えてくるので、根元(持っている生姜のおろしている側)の繊維が長くなってきておろしづらくなったり、これ以上おろしたら、繊維も削って紛れ込んでしまいそうになるのであれば、その繊維のついている先の部分だけ切り取ります。(説明わかりづらい?)
このように繊維だけ切り取ってしまえば、またおろしやすくなります。
ほとんどの人が、食材のことを良く知らずにおろすので、これからは食材の繊維の方向、おろし方、強さ加減、目の粗さなど気にしてみてください。ちなみにおろし金の目の方向にもよりますが、大概の場合円を描くようにしておろします。
最後に、、、
おろし金を洗うときにギザギザの部分に挟まっているのを取り除く方法は亀の子たわし(茶色いブラシのたわし)か歯ブラシを使えば簡単にとれます。