アイデア発想法の第3弾をお送りします。前回の記事を読んでいない!忘れた! という方はこちら
第1弾 【オズボーンのチェックリスト】http://wp.me/p50ahn-1mf
第2弾 【シックスハット法】http://wp.me/p50ahn-1mz
今回の第3弾は、 私が考えたアイデア構築法です。とはいっても、 私が思いつくものなので、すでに他の誰かがある程度発案していると思いますが、とりあえず思いついたので、自分のものとして発表します。
タイトルにある通り、“感情の側面から新しいアイデアを作り出す方法”です。
ここで、最初にお伝えしておかなければならないことがあるのですが、世の中に出ている発明品、アイデア商品と言うのは、自分で考えて、ひねり出して生まれるものではありません。新しいアイデアはあなたの考えから作り出すことはできないのです。
それはつまり、どういう事かと言うと、“他人の需要を満たすものが、新しいアイデアになる”ということです。
例えば、あなたが「この料理、こうやって作った方が良いのではないのか?」と考えたとしても、周りに同感してもらい、「食べたい!欲しい!」と思わせられなければ、それはただの自己満足の商品(料理)となります。
ですので、今まで解説したアイデア発想法の【オズボーンのチェックリスト】【シックスハット法】も同じく、自分では思い付かない角度から物事を見ることで、他人目線としてとらえることができる発想法なのです。そのように生まれたものが、世に認められる発明品となります。大事なので何度も言いますが、覚えておかなければならないのは、
“自分ではなく相手(お客さん)の視点を持つ”ことです。
【感情メソッド発想法】
さて、このトリガーの中では、“幸せ”というものも感情としてとらえて解釈しています。そこで、ちょっと質問をします。
「あなたは幸せになりたいですか?」
おそらく、YESですよね。でも、幸せに“なり続ける”ことって不可能に近いです。
「あ~今幸せだ~」と思ったり感じたりすることがあると思いますが、それは、喜びと同じような感情の一つということで、たとえば、
・どれだけお金を持っていても
・夢や目標を達成したとしても
・周りのひとに恵まれていたとしても
常に「幸せだ、幸せだ、幸せだ」と思うことはないと思います。
美味しい食事をして「おいしい=幸せ」と連想することはできますが、階段で転んでけがをして「痛い!=幸せ」という発想にはおそらくならないはずです。このような理由からも、ここでは“幸せ”を感情としてとらえます。
では、もう一つ、質問をします。
「あなたは1年間24時間中ずっと怒っていられますか?」
おそらくすべての人がNoだと思います。なぜなら、それは“怒り”という感情だからです。
このように“幸せ”“喜び”“悲しみ”“怒り”などの感情というのは、常に波のように変化し続けるものであり、人間である以上、その感情の波が起こるのは、悟りを開いた人でもない限りほぼ難しいです。ですので、私たちは常に感情の波に振り回されないように、そして、その波に逆らわずに感情の波に乗って日々生きていくことが大切なのですが、
【感情メソッド発想法 13のトリガー】はそのような人間なら誰しもが感じる“感情”の視点から新しいアイデアを作る方法です。
感情には、たくさんの種類があります。例えば「気持ちいい」という感情だとしても、美味しい食事をして「気持ちいい」とお風呂に入って「気持ちいい」では、その時に感じる場面も時間も違います。
さらに、感情は喜怒哀楽の4つだけと思う人もいれば、20個あるという人もいると思います。それを言い出したらきりがないですが、このアイデア理論では、13の感情に基づいて考えてみます。
それぞれ、どのような感情のアプローチがあるのか見てみましょう。中には「これ感情!?」と思うものも出てくるかもしれませんが、読んでいくうちにわかってくると思います。
【感情メソッド発想法 13のトリガー】前編
【ネガティブ感情編】
≪1≫ 後悔
死ぬ前に後悔する感情も含めます。
過去に、「欲しかったあの商品を手にすることができなかった」「どうしても食べたかったあの料理を食べることができなかった」という感情を呼び起こすような 料理や商品が作り出せれば、その商品や料理は、その人にとって、唯一無二の存在となります。
例えば、今はもう食べることができない、小さい頃に食べたお袋の味を再現するとか、期間限定で食べたくても食べられなかった○○という店の料理、今は存在しない、予約が困難なレストランで出されていた料理など、
「これを人生の中でしておけばよかった」と思うような商品や料理を再現・作り出せれば、 そのお客さんは
「あなたの店なしでは生きていけない」という依存状態を作り出すことができます。
そのために、すべきことは、“相手の後悔という感情に寄り添って考えること”です。
まずは一人のお客さんから始めてください。その一人を、徹底的にヒアリング・観察し、なにを求めているのか、過去にどんなことがあったかなど事細かに聞くことで、料理のアプローチ方法が見えてきます。
お客さんじゃなくても、一番あなたの身近にいる人でもOKです。
その人が、
・小さい頃に食べたお母さんの料理
・どこどこのレストランの○○という料理
などを聞いたうえで、料理を再現してみます。もちろん、作り出すのは、かなり大変だとは思います。何度も失敗すると思います。しかし、それでいいのです。この効果の偉大さは、行動した人にだけわかります。ぜひやってみてください。
≪2≫ 恐怖
知らない恐怖の感情。今では和食も世界に広まっていますが、はじめに海外で刺身や寿司を出した時は食べた誰もが受け付けませんでした。確実に美味しいはずでしたが、なぜでしょう?
それは、 “だれも体験したことが無かった”からです。知らないことはもっとも怖いものです。
例えば、真夜中に目隠しをされて、どこかへ連れてかれて、後ろからなにか獣のような、幽霊のような声や物音がする場所でずっと一人にされたらどうですか?
おそらく相当の恐怖感を味わうと思います。
しかし、たとえ目隠しをされていたとしても、後ろにいるのが檻の中にいるライオンで、 危害が無いとわかればどうでしょう?
その恐怖感は半分以下に減るでしょう。
その他の例だと、あの人嫌だな、ウマが合わない、いじめてくる、怒ってくるなどの恐怖に近いものを感じる人がいれば、その原因は単にその人について 「よくわかっていない」「知らない」というのがほとんどです。ちゃんと話せば解決することを、怖がって行動しないから、いつまでたっても怖いままなのです。
お分かりでしょうか?“知らないことは恐怖”になるのです。
お金持ちになるのもそうです。お金持ちになるという状態を体験したことが無い、つまり知らないから、心の奥底では、お金持ちになるのが怖いのです。だから、いつまでも現状のままでいたいと潜在意識で思っていて何も行動できなくなるのです。
このような恐怖の感情を逆手にとって料理を考えます。人は未知の物事に対し、その正体を教えてあげれば、人は安心して乗り越えることができます。そして、意外と大したことないものは数多く存在します。
必要なのは勇気と決断です。そして、それを後押しするような、説得力と説明が必要です。
一例を挙げると、昆虫のアリ(蟻)を料理として使ったり、食べるなんてお金を払っても嫌だと思う人が多いと思います。しかし最近、世界一と呼ばれる予約の取れないレストランNOMAが、蟻を食材に入れた料理を作って一躍注目を浴び、世界中のだれもが、是非食べてみたいと、予約をしてまで食べにくるようになったのです。
つまり、人は知らない食材に対しての興味はあるものの、食べるために後押ししてくれる材料(人なり物なり)が必要なのです。このような料理を作り、多くの人に知ってもらうことができれば、さらに色々な可能性が広がるでしょう。
≪3≫ 欠乏
足りない、欠乏という感情。自分にはないもの、足りないものを求めるのは人間の心理です。そのような欠乏しているものを補ったり、解決してあげる料理。
例えばそれは、「お食事いかがでしたか?」の一言かもしれませんし、料理のちょっとしたアクセントが必要なのかもしれません。料理内容によっては、その栄養バランスを保つために、最後にちょっとした一品やデザートなどをだすのも良いかもしれません。
これは新しいというより、ちょっとした工夫をすることで、組み合わせによりあらたな可能性を見つけ出す考えでもあります。
以上がネガティブ感情編です。その他の感情については次回お話しします。
<感情メソッド発想法 13のトリガー vol.2>http://wp.me/p50ahn-1o9