ショ糖溶液を150℃以上に煮詰めてから冷却すると、ガラスのような形と光沢のある「アメ細工」ができます。

・中国料理の「抜糸(バァス)」

・フランス菓子の「シュクレ・ティレ」

・日本は「リンゴ飴」?

キャンディを作るときもそうですが、飴細工の技法の難しいところは”結晶ができやすい”ところです。150度の高温で、水分は2%以下に煮詰められ、このような高い濃度の時は結晶化が起こりやすいです。

そのため、飴を膨らませたり、伸ばしたりするときに白い結晶が分かれて出てきて(これを「シャる」と言う)これ以上飴細工ができなくなります。

そんなときに、結晶化を防ぐために、水あめを使ったりします。これは水あめの中の「デキストリン」という粘り気の強い糖質が結晶を防ぎ、つやをよくするためです。

ちなみに中国料理の「抜糸」ですが、日本で言う「大学芋」みたいな料理で、揚げたサツマイモや栗とかに砂糖液をかけ、糸の引いているところを食べる料理で、この時は、結晶化の防止策として「酢」を使っています。

 

次に水あめとの違いですが、根本的に製法が違います。

水あめは、穀類やイモ類に含まれるデンプンを原料としています。しかしデンプンには甘味はありません。

ややこしいので、くわしく説明しませんが、デンプンの構造は「ブドウ糖」というのが鎖状でつながっている状態です。その状態では甘さは感じません。

そのつながっているのを人工的に構造を分解して、強い甘味を持つ「麦芽糖」や「ブドウ糖」に分解して変えたものが”水あめ”です。

そのデンプンの分解の途中でできる「デキストリン」という糖質をできるだけたくさん残しておきます。(そのためデンプンは完全に分解しません)

「デキストリン」というのは、甘味は持たないが、独特の粘りや、強い保水性、飴細工の結晶を防ぐ”お菓子作りに役立つ”特性をいくつか持っています。

このようにして、出来上がったものが「水あめ」と呼ばれるものです。

 

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